◆ 幻の「大宮太宰治展」
大宮で「太宰治展」実施にあたり『人間失格』生原稿の提供を試みたが
美知子夫人に強く拒絶されたという記録がある書籍に書かれてありました。
その頃に、図書館の職員として担当されていた方よりお話が伺えました。
1990年、大宮市市制50周年記念事業として、大宮市にゆかりの文人を
紹介する、「文学散歩 ふるさとの面影展」を開催しました。
その文人のひとりとして、太宰治のコーナーも設けることになりました。
展示の目玉として、大宮で書かれた『人間失格』の生原稿をお借りすべく、
当時78歳だった美知子夫人へ、文書で原稿の提供をお願いをしたそうです。
しかし、ご了解が頂けず、太宰のコーナーは有名なバールパンでの写真など
他のもので対応したといいます。
たとえ2週間とはいえ、山崎富栄と最後に暮らしたこの街を、美知子夫人は
どうしても許せなかったのかもしれません。
この頃すでに、太宰が亡くなって42年の歳月が過ぎていましたが。。。